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いきなり統計検定1級に一発合格した時の話(参考書・勉強法など)

統計検定に合格した話

今回は過去(2017年)に統計検定に合格した時の勉強法などについて書こうと思います。 統計検定1級は、満点こそ難しいものの合格ラインへ到達するのは比較的簡単なタイプの試験だと思いますので、 「とにかく合格したい」という方は特に参考にしていただければと思います。

最近では就活生だけでなく、コンサルタントエンジニア公務員などの職種の方も多く受験されているとのことなので、 活躍の場を広げたり、統計マターに自信を持って当たれるようになるには統計学の勉強は大事と考えている人も多いのではないでしょうか?

受験時のスペック

  • 理系大学院生(修士)
  • 統計は専門でない
  • 統計検定準1級,2級など受験経験なし

とこんな感じで、授業も一応は受けたことはあるけど、真面目に統計の勉強はしていませんでした。 正規分布が何かはなんとなく知っていて、t検定とかは聞いたことはあるけど、正直わからないなぁというレベルでした。 おそらく統計検定2級は通らないくらいのレベルだったと思います。

統計検定1級とは

統計検定とは

統計に関する知識や能力を評価する試験です。

「統計検定」とは、統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験です。 データに基づいて客観的に判断し、科学的に問題を解決する能力は、仕事や研究をするための21世紀型スキルとして国際社会で広く認められています。

www.toukei-kentei.jp

統計検定1級のレベル

HPにある通り、統計検定1級は大学3,4年で学習するレベルの統計学の知識が問われます。 最近はツールが発達しているため、自分で手を動かさなくても自動的にフィッティングしてくれるツールも多く存在しますが、 それらが一体どのくらい信用できるかなどは理論を学ばない限りわかることはありません。 そういった意味でも、統計検定で提供されているレベルの理論的な知識を知っておくことは非常に有用だと思っています。

大学専門課程(3・4年次)で習得すべきことについて、専門分野ごとに検定を行います。

www.toukei-kentei.jp

勉強方法

勉強法

大体半年くらいかけて勉強しました。最初はだらだらゆっくり勉強していき、最後の方に畳み掛けるようにスパートをかけるスタイルです笑

  • 基礎固め〜応用・発展〜過去問

という定番のスタイルでしたが、

  • 基礎固め〜過去問ちょっとかじる〜応用・発展〜過去問

のように過去問を事前に見ておくともっと上手くいったと思います。

参考書

利用した参考書をまとめていきます。大体重要な順番に書いて行こうと思います。

統計学入門(通称: 赤本)

  • オススメ度: ★★★★☆
  • 時期: 基礎固め(半年前くらい)

何も知らないところから始められます。定番なので持っていて損もないと思います。 この本は何回も読みました。この本が一通り読めたら過去問を少し覗いておくと良いと思います。 統計検定2級・準1級受験の人にもお勧めできると思います。

www.utp.or.jp

自然科学の統計学(通称: 青本)

  • オススメ度: ★★★☆☆
  • 時期: 応用・発展
  • コメント: 赤本でやった内容の発展・一般化といった内容が多いです。 統計検定1級のレベルをやり切るには緑本だけでは不足ですので、青本まで読む必要があります。

www.utp.or.jp

日本統計学会公式認定 統計検定1級対応「統計学

  • オススメ度: ★★★★☆
  • 時期: 応用・発展

Amazon レビューでは評価が低いですが、やはり検定の内容を網羅しているということで安心感があります。 それぞれの内容を細かく噛み砕く余地はこの本にはないので、適宜、1.,2.の赤本・青本の内容を見返したり、ブログや記事などのネットの情報で補っていました。

www.tokyo-tosho.co.jp

日本統計学会公式認定 統計検定1級対応「統計学

  • オススメ度: ★★★★☆
  • 時期: 応用・発展

Amazon レビューでは評価が低いですが、やはり検定の内容を網羅しているということで安心感があります。 それぞれの内容を細かく噛み砕く余地はこの本にはないので、適宜、1.,2.の内容を見返したり、ブログや記事などのネットの情報で補っていました。

明解演習 数理統計

  • オススメ度: ★★★★☆
  • 時期: 基礎固め

この本は当時利用したわけではありません 演習がどうしても足りなくなるのでこのタイプの本で演習できると非常に学習効率が上がっただろうなぁと思います。 今になって別の試験対策でこちらの本を見つけて良さそうだったのでこちらに入れさせていただきました。

www.kyoritsu-pub.co.jp

応用をめざす数理統計学

  • オススメ度: ★★☆☆☆
  • 時期: 発展・応用?

  • 自然科学の統計学 が難しくて、困ったときに購入しましたが、あまり利用できませんでした。 内容的にも統計検定にも合っていないと思うので、基本は赤本・青本で乗り切るのが良いかなと思います。 最近はネットの記事も充実しているので、あとはネットの情報で補っていけば十分戦えると思います。

www.asakura.co.jp

問題の分析(統計数理)

統計数理は5問から3問を選択します。 この選択できる点を活かすことで合格の可能性がアップするので問題の分析を適切に行い、「どの問題を選ぶか」を準備したいですね。

問題1

計算するだけ問題(比較的簡単)

計算するだけの問題が多いです。この問題は選択するのにオススメです。

というのも、基本的な計算方法さえマスターしてしまえば解ける問題がほとんどだからです。 逆にいうと、この問題に歯が立たない場合は、合格が非常に厳しいので、試金石になる問題と言えるかもしれません。

2019年の過去問でも、計算するだけの問題("分散を求めよ")になっている他、 ヒント付きの問題すらありました。

問題1は絶対に死守するべし&点数のとりどころ ということになります。 ここを満点とることで合格ラインの半分くらいはとれることになります。

問題2

変数変換がよく出る

 U = X _ 1 + X _ 2 みたいな感じの変数変換系が割と多く出題されていますが、必ずというわけではないので注意してください。 2次元確率変数や検定に近いものが出たこともあります。

変数変換の流れで順序統計量が出た時もありました。 その時は誘導がありましたが、誘導なしでも簡単な導出方法を一つ覚えておくだけで得点できる問題でした。(これは宣伝)

リスクを元にヤマを張るなら変数変換に絞るのもアリだと思います。 変数変換はもともと組み合わせて出ることも多いのでマスターして損はない領域にも思えます。

問題3

推定がよく出る

推定の問題が多めに出る傾向にありますが、回帰が出たこともありました。

推定の中では最尤法が多そうですが、区間推定も出ているのであまり絞り切らない方が良さそうです。

問題4

予想不可能

いろんな問題が出ます。得意なやつが出たらラッキーくらいで構えたいですね

問題5

予想が難しくなっているが、しいていうなら検定が多め?

ここも検定が多い傾向がありましたが、2019年はベイズ推定が出るなどちょっと読みにくくなっている問題だと思います。

とはいえ、どの道勉強する必要があるので、検定が出ると思って少しだけ多めに検定は勉強しておいて良いでしょう。 問題3で検定が出ることも考えるとそこまでもったいなくもなさそうですし。