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立体三目並べは先手必勝

 

一言で言うと...

  立体三目並べ(立体○×ゲーム)は、先手が必ず勝ちます!

 

立体的で何やら難しそうな感じがしますが、実は先攻が超有利なゲームのようです。

 

頭脳王で有名になった(?)「立体三目並べ」とは 


頭脳王 という番組でも何度か登場している「立体三目並べ」ですが、どういったものなのでしょうか。

基本的には普通の2次元の○×ゲームとあまり変わらないのですが、少し違う点もあります。

 

 呼び方

様々な呼び方をされているようですが、主に

 などと呼ばれているようです。

 

ルール

みなさんもよくご存知の「○×ゲーム」「3目並べ」と基本は変わりません。これまでの2次元(縦 × 横)に加えて、高さ方向を加えた3次元の中で3つ揃えれば勝ちとなるゲームです。立体三目並べでは、3 x 3 x 3 = 27個 に玉を置くことができます。どこかの面の縦・横・斜めのどれかを揃えた方が勝ちになります。

 

https://i.gzn.jp/img/2012/02/14/3d-maru-batsu-game/snap0125.jpg

(引用: マルバツゲームが立体的になって戦術が広がった「3D ○×GAME」 - GIGAZINE)

 

2次元の三目並べにはない特徴としては、

  1. ど真ん中には置けない
  2. 空中には置けない

という制限があります。

 

ど真ん中には置けない

「ど真ん中」とは、3段の内の2段目の中央のことです。ここには、1段目の中央に玉が置かれたタイミングで、2段めの中央には、先攻のものでも後攻のものでもない中立の玉が置かれます。この中立の玉は、どちらの玉とも扱わない、いわばおじゃま虫のような存在になります。

 

空中には置けない

上の画像でもわかるように、下のものから詰めていく必要があります。たとえば、一番始めに一番上の段に玉を置くことができません。「重力も考慮する」という制限に言い換えられるかもしれません。

 

これらのルールは先攻が強くなりすぎるために必要な制限のようですね。実際にこれらを認めると先攻がより有利になります。

 

必勝法

最初に書いたとおり、

 

「このゲームには(先手に)必勝法がある」

 

のです。それも、先手の1手目はどこにいっても良いのです。なんていう先手ゲー。。。

みなさんご存知の通り、普通の2次元の三目並べでは、先攻も後攻も最善手を行くと引き分けになります。このことを考えると、3次元での先攻の強さが圧倒的なことが感じられます。

説明のための表記方法

 

説明のために9マスの中でおける場所を以下のようにナンバリングしておきます。

1 2 3
4 5 6
7 8 9

 

立体三目並べでは、この9マスが3階層になっているので、それを表すために以下のような書き方で表すことにします。

 

1-8 → 1段目の8番の位置

2-4 → 2段目の4番の位置

 

この表記方法を使うと、先程のど真ん中には置けないというルールは、2-5には置けないと書くことができます。

先手の1手目

先手の1手目として可能なパターンを考えます。

 

まず、空中には置けないというルールがあるため、1手目として玉を置けるのは最下層の1段目に限ります。

 

対称性を考えると、先攻の1手目は実質的には以下の3パターンであることがわかります。

  • 角(1,3,7,9)
  • 辺(2,4,6,8)
  • 中央(5)
1 2 3
4 5 6
7 8 9

よってこの3つのパターンから始めた場合に先手が必ず勝てるかを調べれば良いことになります。

角(1,3,7,9)から始めるパターン

全パターンの列挙はできないので、後攻ができるだけ粘るパターンを以下に挙げます。ここでは、1段目の角である、1-1から始めることにします。

  先攻 後攻
1ターン目 1-1 1-5
2ターン目 1-3 1-2
3ターン目 1-8 1-4
4ターン目 1-6 1-9
5ターン目 2-3 3-3
6ターン目 2-6 3-6
7ターン目 2-9  

 

1段目   2段目   3段目
o x o   - - o   - - x
x x o   - # o   - - x
- o x   - - o   - - -

 

上のような形で先攻が勝ちます。青色の部分が3目が並んだ部分になります。他の分岐もありますが、これが比較的長い展開になります。最後の6ターン目のダブルリーチのところが立体を活かした、高さ方向を含んだダブルリーチなので必見です。

ちなみに、角から始まるケースの必勝法のパターンに関しては、高知工科大学の学生さんの資料 でも説明されてあります。 

辺(2,4,6,8)から始めるパターン

このパターンは上記の学生さんの資料にありません。そして、このパターンが先攻が負けやすいパターンです。

 

普通の三目並べでも、ざっくり言って、中央が強くてその次に角が強いです。

同じように勝ち筋を書いても面白くないのでクイズ形式にしてみます。ここでは、1段目の辺の1-2から始めることにします。

 

問題: 以下のように手が進んだとき先攻が勝つために次に行くべき手はどれでしょう?答え

 

  先攻 後攻
1ターン目 1-2 1-5
2ターン目 ???  

 

1段目   2段目   3段目
B o -   - - -   - - -
C x -   - # -   - A -
- D -   - - -   - - -

 

選択肢:

  1. 3-5
  2. 1-1
  3. 1-4
  4. 1-8

 

いかがでしょうか?答えは記事の一番下にあります。

 

中央(5)から始めるパターン

やはりこのパターンが最強です。辺のところでも書いたように2次元の三目並べ同様、中央から始めると間違いにくいと思います。

全パターンは書けないのでここでも代表的なパターンを載せます。高さ方向の斜めを活用した勝ち方なのでクールです。先ほどと同様、青色の部分が3目が並んだ部分になります。

  先攻 後攻
1ターン目 1-5 1-1
2ターン目 1-3 1-7
3ターン目 1-4 1-6
4ターン目 1-8 1-2
5ターン目 2-3 3-3
6ターン目 2-2 2-1
7ターン目 3-1 -

 

1段目   2段目   3段目
x x o   x o o   o - -
o o x   - # -   - - -
x o -   - - -   - - -

 

終わりに

実は3次元の方が先行有利

2次元の三目並べは、後攻はどうやっても勝つことができません。しかし、3次元の場合は高さ方向もあるので、なんとなく「後攻にもチャンスがありそう」と思いがちです。

 

しかし、現実は甘くありませんでした。

 

3次元の三目並べは後攻はノーチャンスです。それどころか後攻必敗です。

しかも、先攻の最初の1手はどこにいっても良いのです。なぜなら、先攻の1手目を角、辺、中央のどこにおいても先攻必勝だからです。

 

先攻の1手目は中央以外にしよう

 この記事の内容からでは全てを説明しきれていないのですが、先攻の1手目を1-5の中央から始めると非常に先攻が有利です。よって、まともに勝負を楽しむなら、先攻は中央以外の角か辺から始める、というルールを追加したほうが良さそうです。

 

活用方法?

先攻必勝であることを知らない人に対しては、

 

さも追加ルールかのように上記の2つの条件をつけて、先攻が少し不利になったかのように見せて先攻を選んで勝負してください

(さらに、先手必勝は1手目に依存しないので「最初の一手目だけ指定させてあげるよ」とさらに条件をつけることができますね)

 

そうすることでさも対等な勝負をしているように見せながら必勝することができます!!??

 

これは半分冗談ですが、あまり先攻必勝だと知っている人は少ないのでこの知識はちょっと差がでそうですね。

問題の答え

先手の1手目を辺から始めた場合の「次の手」問題の答えを書きます。

 

答えは、Cの1-4です。それ以外だと後攻が必勝します。

 

正解パターン(C.1-4)

 

  先攻 後攻
1ターン目 1-2 1-5
2ターン目 1-4 1-3
3ターン目 1-7 1-1
4ターン目 1-9 1-8
5ターン目 2-7 3-7
6ターン目 2-4 3-4
7ターン目 2-1 -

 

 

不正解パターン(B.1-1)

 

  先攻 後攻
1ターン目 1-2 1-5
2ターン目 1-1 1-3
3ターン目 1-7 1-4
4ターン目 1-6 2-3
5ターン目 3-3 2-2
6ターン目 2-1 3-1

 

 

不正解パターン(D.1-8)

 

  先攻 後攻
1ターン目 1-2 1-5
2ターン目 1-8 1-6
3ターン目 1-4 1-9
4ターン目 1-3 1-1